第7回 住宅設備の選び方と優先順位

 

~「欲しい設備」より「暮らしやすい設備」を選びましょう~

 

住宅展示場や住宅会社のカタログを見ると、最新のキッチンや浴室、暖房設備、IoT家電など、魅力的な設備が数多く紹介されています。「せっかく家を建てるなら、最新設備をすべて取り入れたい」と考える方も多いでしょう。

しかし、住宅設備はグレードを上げるほど建築費は高くなります。あれもこれもと選んでいくと、気が付けば数百万円の予算オーバーということも珍しくありません。

特に20代・30代で住宅を取得する教職員の皆さまは、住宅ローンの返済と同時に、子育てや教育費など将来の支出も考えなければなりません。そのため、「最新設備を選ぶ」ことよりも、「自分たちの暮らしに本当に必要な設備を選ぶ」という考え方が大切です。

住宅設備を選ぶ際に、まず優先していただきたいのは「住宅性能」です。

キッチンや浴室は将来リフォームで交換できます。しかし、断熱材や気密性能、窓の性能など住宅そのものの性能は、完成後に簡単に変更することはできません。

 

北海道では冬の寒さが厳しく、暖房を使用する期間も長いため、住宅性能の違いが毎月の光熱費に大きく影響します。

例えば、

・高性能な断熱材
・高気密施工
・トリプルガラスの樹脂サッシ
・高効率な換気システム

これらは目立つ設備ではありませんが、毎日の快適さと家計を支えてくれる「見えない設備」です。

住宅会社との打ち合わせでは、キッチンの色や浴槽の形だけでなく、UA値(断熱性能)やC値(気密性能)についても確認することをおすすめします。

 

 

次に優先したいのが暖房設備です。

北海道の住宅では暖房は生活に欠かせません。

現在は、

・寒冷地用エアコン
・床暖房
・温水パネルヒーター
・セントラル暖房
・ヒートポンプ暖房

など様々な暖房方式があります。

それぞれ初期費用やランニングコスト、メンテナンス方法が異なります。

例えば、初期費用が多少高くても、省エネ性能が高い暖房設備であれば、長い目で見て光熱費を抑えることができます。

住宅は30年以上住み続けるものです。設備は「導入費用」だけでなく、「毎年の光熱費」まで考えて選ぶことが大切です。

 

続いて、キッチンについて考えてみましょう。

最近のシステムキッチンには、

・食器洗い乾燥機
・タッチレス水栓
・IHクッキングヒーター
・大型収納
・自動洗浄レンジフード

など便利な機能が充実しています。

共働き世帯が多い教職員の皆さまには、食器洗い乾燥機は特におすすめしたい設備の一つです。

毎日20〜30分の家事時間を短縮できれば、その時間を子どもとの時間や趣味、休息に充てることができます。

設備は「ぜいたく品」ではなく、「時間を生み出す投資」という考え方も大切です。

浴室についても同様です。

断熱性の高い浴槽や浴室暖房、乾燥機能などは冬場の快適性を大きく向上させます。

北海道では冬場のヒートショック対策として、脱衣室と浴室の温度差を小さくすることも重要です。

浴室暖房は、高齢になってからだけでなく、小さなお子さんがいる家庭でも安心につながります。

 

また、最近人気なのがIoT設備です。

スマートフォンから照明や暖房を操作したり、外出先からエアコンを運転したりできる設備も増えています。

便利な設備ですが、本当に使うかどうかを考えて選びましょう。

「便利そうだから」という理由だけで採用すると、実際にはほとんど使わないというケースもあります。

 

住宅設備を選ぶ際は、

①住宅性能(断熱・気密・窓)
②暖房・給湯設備
③家事を楽にする設備
④デザインや高級仕様

この順番で検討すると、予算配分もしやすくなります。

 

最後に、設備選びでよくある失敗をご紹介します。

・見た目を重視して収納力が不足した
・オプションを追加し過ぎて予算オーバーになった
・高価な設備を導入したが、ほとんど使わなかった
・暖房設備を十分検討せず、冬の光熱費が想定以上になった
・窓の性能を下げたため、結露や寒さに悩まされている

住宅設備は毎日の生活を快適にする大切な要素ですが、「高価な設備=満足度が高い」とは限りません。

ご家族の暮らし方やライフスタイルを考え、「本当に必要な設備」に優先的に予算を配分することが、後悔しない住宅づくりにつながります。

住宅は建てた瞬間ではなく、住み始めてからその価値が決まります。デザインだけではなく、快適性、省エネ性、家事のしやすさを意識して設備を選び、長く愛着を持って暮らせる住まいを実現しましょう。

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住宅アドバイザーからのワンポイント

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設備選びに迷ったら、「10年後も毎日使っている設備か?」を基準に考えてみましょう。毎日使う設備にはしっかり投資し、見た目や一時的な流行に左右される設備は慎重に判断することが、満足度の高い住宅づくりのポイントです。北海道では、特に断熱性能・窓性能・暖房設備への投資は、快適な暮らしと光熱費の節約につながる「価値ある投資」といえるでしょう。

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